≪古代≫
グレートブリテン島には旧石器時代以前から人類が居住していたそうです。この人たちによってストーンヘンジが作られたと目されています。
さて、ブリテン島にやって来た初めての侵略者はケルト人でした。彼らは前9世紀以後にヨーロッパから侵入しました。このケルト系の人々は現在のスコットランド、ウェールズ、アイルランドの人々の先祖に当たります。ケルト系の人々はローマ人にブリトン人と呼ばれました。これがイングランド、ウェールズ、スコットランドを含む島を示すブリテンの由来です。
ブリテン島に次にやって来たのはローマ帝国です。一世紀中ごろにローマ帝国はブリテン島の南部を征服しブリタンニア属州を打ち立てました。ちなみにロンドンはローマ人によって作られた都市で当時はロンディニウムと呼ばれていました。このローマ人が築いた1マイル(約1.6㎞)四方ほどの都市は現在のシティ・オブ・ロンドンに相当します。ローマによる支配はおよそ400年間続きました。その際に五賢帝(ローマ絶世期の5人の皇帝)の一人ハドリアヌスによって築かれた長城は現在のイングランドとスコットランドの境界となりました。
ハドリアヌスの長城 北方のケルト人の侵入を阻んだ |
≪中世≫
ケルト人の支配は長く続きませんでした。現在のデンマークや北部ドイツにあたる地域からアングロ・サクソンと呼ばれるゲルマン系の人々が侵入します。アングロ・サクソンは3つのゲルマン民族の総称でその一部族アングル人はイングランドの語源となりました。アングロ・サクソン人はイングランド各地に小さな王国を建国しました。7つの大国があったことからこの時代は七王国時代と呼ばれました。
七王国はヘプターキー(七王国を意味するギリシア語)とも呼ばれた |
七王国時代は9世紀、ウェセックス王国のエグバード王がイングランドを統一したことで終わりを迎えます。統一されてもイングランドに平穏は訪れませんでした。9世紀の中ごろから北欧のヴァイキングたちがブリテン島を襲撃はじめます。一度は統一されたイングランドですがヴァイキングの一派、デーン人によってウェセックスを除き占領されてしまいます。しかしウェセックスのアルフレッド大王によりデーン人は押し返され、ロンドンとチェスターを結ぶ線が国境に定められます。
黄色い部分がデーン人の居住地、後にデーンロウ地方と呼ばれる。 |